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BUCK-TICK 9/23,24横アリレポ

9/23,24に横浜アリーナで2days公演されたBUCK-TICK 2022 "THE PARADE" ~35th anniversary~に参戦してきた。忘れないうちに思い出を言語化しておこうと思う。

全体を通して

とりあえずの感想として、素晴らしかった。35年間活動してきて、全く衰えていないどころか圧倒のパフォーマンスだった。そして、ステージのセット・スクリーンの映像や光の演出等、作り込みが凄まじかった。特に今回は前面と背面に2つスクリーンがあったことで、立体的な演出がされていて、映像技術だけでも見惚れてしまった。初日はアリーナ席の真正面だったので演出を全体的に見ることができて、演出を満喫できたと思う。

一つだけ残念だったのは、音楽ホールではないから仕方がないけれども、音響が悪かった…。ドラムとかベースの音が響いてしまったり、同期の音とかコーラスの音が聴こえなかったりしてもったいなかった。特にILLUSIONとかmemento moriとかはドラム・ベースの音をライブで楽しんでいたので残念。

とはいえ十分素晴らしい公演だった。

メッセージ性の強さ

2日間とも、楽園→REVOLVER→ゲルニカの夜→さよならシェルターの曲順がライブ中盤で固定だったので、反戦の意図を感じざるを得なかった。楽園はシングルバージョンで

テレビでは悲痛な声で まくしたてるメロドラマ
この僕は軽く涙流すふりで目を伏せた

の歌詞が使われている方。それと、初めて聴いたときからずっと聴くのが苦しいゲルニカ

僕はどうだい どうすればいい 愛とか恋だとか歌っている
君はどうだい どう思うかい 誰かが誰かを殺すよ

ここのあっちゃんの歌い方は、とにかくやるせなさをぶつけるような、訴えかけるような、そんな声に聴こえた。
BUCK-TICK反戦曲に感じるのは、演奏するBUCK-TICK自身やそれを聴く我々全員が戦争の凄惨さに目を背けて、幸せに見える世界を生きているのだ、という自覚を叩きつけられる感覚で、我々も罪深い人間なのだという宣告だった。ただ戦争に対して、狂っている、戦争は良くない、と断罪する側ではなく怒りをこちら側に向ける反戦曲だからこそ、自分の中の罪悪感、やるせなさ、呆れ、怒りが疼くのだと思うし、故に聴いていて苦しい。ライブのこの曲順の間は常に頭の中で葛藤がぐるぐると廻っていた。戦争の惨禍に心を痛めずに日々を生きる自身の罪深さになす術がわからずに逃げ出したくなる感情、その感情に嫌悪する自分自身、断罪する側に回れば罪からは解放されるけれど、それはただ赦しを得て楽になりたいだけ、悩むことは戦場の誰かの利益にはなっておらず自己満足でしかない、罪深さを自覚することであたかも高尚な人間になったつもりで実のところエゴでしかないのではないか、とかぐるぐるぐるぐる。ここに書いているだけでも結構気が滅入ってしまう…。暗い気持ちでい続けねばならないという強迫観念と、自分の気の持ちようは別に外界に影響を及ぼさないので無駄だという判断と…これ以上続けても感情を記述できる気はしないから、この辺でやめておく。

インナーワールドからアウターワールド

少し前までは無題を演奏することが多かったけれど、最近はどちらかというとゲルニカの夜が無題とかlong distance callの枠?で演奏されていると思う。後者2曲はどちらも内面の世界を描く曲なのに対して、前者は外側の世界へのメッセージ性が強い曲で、BUCK-TICKのコンセプト自体も中から外へと変遷しているように感じる。あとはsolarisとか鼓動とかHEAVENとか、子供に向けた曲が増えているような気がして、守りたいものができることで生まれる父性というか、この場合は母性というか、そういうものがライブでのメッセージで大きな割合を占めているように思える。メンバーのお子さんに向けての曲という部分もあるだろうけれど、博愛の欠片が散りばめられていて、大袈裟な言い方だけれども、生きていたい、と願いたくなった。2daysとも母と一緒に参戦したので、隣で聴いている母は自分とは違う感じ方をしているのだろうな、とも想像した。

生きていたいと思う 愛されているなら
生きていたいと願う 愛されているなら
ごめんなさい ありがとう

自分の言葉では表現できないから、歌詞をそのまま持ってきたけれど、まさしく「ごめんなさい、ありがとう」の感情で胸が詰まって、鼓動の間は本当に泣きそうだった。悪い音響のおかげで泣かずに済んだけれど。

もちろんインナーワールドの曲もいくつかあって、ADULT CHILDRENでは、白い影絵がバレエを踊る映像が綺麗で、そして影絵が何人も現れて踊りをリピートし出す場面では、子供時代に縛られるアダルトチルドレンの苦悩を感じ取って、美しさと哀しさを見出した。あっちゃん自身もアダルトチルドレンで、多分多くの大人がアダルトチルドレンとして苦しみ続けているからこそ、「あなたは自由」の歌詞で救われて欲しいと思う。

格好良さも健在

ICONOCLASMのイントロから始まったおかげで一気にテンションがマックスまで持っていかれた。久しぶりにやるアイコノの振りはやっぱりライブでやると楽しすぎる。飛び跳ねまくったせいで初日一曲目から伊達眼鏡をすっ飛ばした。
相変わらずのアレ、痺れた。映像が下手なB級ホラー映画より断然怖いし、不気味な曲調がもう最高だった。FISH TANKERの聖歌。
それと、惡の華。2日間ともやったけれど、1日目でヘドバンと腕の振りすぎで肘と膝を痛めたので2日目は大人しく盛り上がった。ライブでの惡の華は格別に盛り上がるしギターソロアツいし、超格好良かった。ちなみに肘は今も痛いし、どうやら筋をやったっぽい。治るのに時間かかりそう。

太もも

舞夢マイム、ROMANCE、太ももをガン見した。美しかった。

細かい点

あとは色々と細かい部分を書いていく。思い出したら追記するかも。

・2日目のREVOLVERの「死神ども地獄行きさ」のあっちゃんの高音の出し方が、若い頃の乱雑な出し方で良かった。最近の高音は技術的で綺麗な声でそっちも好きなのだけれど、乱雑な声がお気に入りなので聴けてよかった。

・2日目のBOYのシンメトリーギターズ、カッコよすぎ。

・tight rope美しかった。何気にライブで聴くのは初めてだったので立て耳して聴くくらい音も声も綺麗だった。

・夢見る宇宙の星空の映像と、solaris、鼓動の映像が宇宙や細胞分裂の様子とかニューロンとか、そういう生命の誕生と科学の奇跡を組み合わせるような映像で素敵だった。

・左前にいたお兄さん、清春さんみたいなビジュアルですごいお洒落で格好良い人だったのに、曲のノリ方が可愛らしくてギャップで萌えた。

・REVOLVERの腕振り、手を銃の形にして突き出すやつ、団結感が楽しかった。曲自体は反戦だから考えるところはあったけれど、ノる時はやっぱり盛り上がるし楽しい。

・NEW WORLDのレーザーと光の演出が凄かった。あと、忘却ではじめメンバーがスポットライトに照らされていて、曲の終わりで白い光に覆われる演出が、まるで光の中へ消えていってしまうようで儚く美しかった。全体的に光が綺麗だった。

・25日朝10時からバイトなの嫌すぎる。まだバイトの準備何もしていない(25日3:21現在)。