鼓動 遺書 忘却

趣味とか日記とか

2022年秋の雑記

この夏は安定していたから特にブログを書くこともなかった。公開がいつかはわからないけれど明日からBUCK-TICKの2daysの横アリライブに参戦するので、ワクワクを残すついでに最近の音楽事情とか日記とかを書いておこうかと思う。(友達がブログ再開したから触発されたってのもあるけれど…。)

ドグラ・マグラ

日本三大奇書の1つ、夢野久作の代表作ドグラマグラを読んだ。そもそも読み始めは7月ごろで読み終わったのが9月だったので内容理解が弱いのに加えて、内容も内容なのでなんというか…理解不能。チャカポコも辛かったけれど、それ以上に青黛山如月寺縁起がとにかくキツかった。
結局語り手の「わたし」は呉一郎なのか、死んだはずの正木がなぜ語り出したのか、若林はどこまで関与していたのか、どこまでが幻覚でどこまでが現実で誰が正気なのか…考えれば考えるほど疑い深くなり、困惑する自分がいて、置いてけぼりにされた。次は時系列に注意して読み直してみたい。チャカポコ。

さよならシェルター BUCK -TICK

35周年を迎えるBUCK-TICKの新曲。
初めて聞いた時、歌詞は全て美しい言葉選びなのに戦争のことばかり思い浮かんだ。

止まない雨 夢ならいいね
あなたを抱きしめていたいけど 誰かが僕らを殺しに 来るよ
狂っている 狂っているよ

冷たい雨 夢ならいいね
あなたを抱きしめていたいけど わたしは誰かを殺しに 行くの
狂っている 狂っているよ

中高の頃からずっとBUCK-TICKは好きだし、自分の価値観を形成したバンド、信条の部分が強いけれど、ここ1年くらいBUCK-TICKを聴くのがなんというか、苦しい。数歳だけだが歳を重ねて、感情が大きく動くことが怖くなってしまって、そんな中で曲を聴くと目を反らし続けている何かを直視させられている気がして、堪える。
春にロシアがウクライナを侵攻した時に抱いた感情を洗練された言葉で代弁された気分かもしれない。それよりも考えていたことはずっとずっと稚拙でくだらないものだったけれど。結局いつも苦しむのはトップの人間ではなく責任のない民衆で、殺されないために殺すしかない。狂っている。

そういえば少し前に大学の教員の方と世間話をした時、若い時は左寄りになって、歳をとると右寄りになる、なんてことを話した。若い時は上が間違っていると感じて、断罪するかの如く左になりやすい、逆に子供が生まれたり守るものができると、安定を望んで右寄りになりやすい、みたいな。今は守るものがないから左になる、という理屈だろうし正しい部分も大きい気がする。ただ、どうしても戦争は反対したい。ただ平和に生きたい人の命を使い捨て駒のように消費する世界が正しいとは思えない。

みたいに色々と考えを巡らせてしまった。ライブで演奏するかな…。複雑な感情だけれど、やっぱり楽しみだ。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

今年の2月ごろにMステのt.A.T.u事件で気になって、当時の映像を(違法転載で)見て、そこからどハマりした。特に後期のSABRINA HEAVENとかSABRINA NO HEAVEN、Girl Friendが大好き。あと、Cult Grass Starの1曲目がトカゲなので、最近はトカゲのピアスをずっとつけている。影響されやすい性格…。

年末にどうせまたアルバム振り返りのブログを書こうと思っているからまた触れるけれど、エレクトリックサーカスのギターがたまらない。ギターが泣いている、慟哭が聞こえる気がして、哀しくて美しくて男臭い曲。

このGirl Friendはミッシェルのことだと解釈した。世界はくだらないから、天国はくだらないから、ぶっとんでいたい。まさにミッシェルの音楽性そのものだと思う。太陽をつかんでしまった、を聴いたときにも感じたが、ミッシェルが終わってしまうんだなぁ…ということを痛切に感じる曲だった。聴き始めた時点ですでにバンドは解散していてアベさんは亡くなっているけれども。シングルを買った後、大学の屋上で一人でGirl Friendを聴いたのは良い思い出。

ジェンダーに敏感な時代にこういう表現は良くないのかもしれないが、ミッシェルの男臭さ、泥臭さ、粗さに惹かれた。あの魅力は男性にしか出せないものだと思う…。

9 Damien Rice

ジャケ買いしたアルバムで、見事当たりで嬉しかったので残しておく。ジャンルとしては多分フォークだが、Elephantの盛り上がりのところはちょっとRadioheadとかColdplayみたいなオルタナティブロックのテイストで、綺麗でパッションのある歌い方が好きだった。ただ、歌詞を調べてみたらどうやらダブル不倫の曲らしい。ちょっと残念…。

Willy's Wonderland

出かけるのは面倒で、でもYouTubeには飽きて暇つぶしを探していたときに観た。ひたすらニコラスケイジが悪霊の宿った人形をぶっ壊していく映画。質の良いB級ホラーでひたすら面白かった。ニコラスケイジは一度も言葉を発しないのだけれど、ネットで感想を見ていたときに、これはホラーゲームの主人公を映画にしたものだという考察があってかなり納得した。プレイヤーは喋ったり悲鳴をあげたりせずに敵を倒していく様がまさにゲームの主人公といった感じで、一致している気がする。頭を空っぽにして観るには最高の映画。

今年の5月ごろから日常生活のストレスと不眠症と現実逃避と、まぁ色々な理由でアルコールに依存していた。元々ほろ酔い1缶でも赤くなる人間だったのに、毎日気を失うまでアルコールを飲み続けると人並みに強くなった。絶対に健康に悪い耐性だろうけれど。
先日人生で初めて飲み過ぎて吐いてからは、かなり依存状態から抜け出せたと思う。そもそも日中体調不良の中、深夜の空腹でバーボン常温ストレートで飲んでれば、当たり前に吐くわな…。むしろ今までその飲み方で何もなかった方が驚愕だと思う。
最近は常識の範囲でしか飲んでいない。ただ今はまだ夏休み中だから、授業が始まってストレスを感じるようになってからはどうなることやら。早い段階での禁酒を検討しようと思う。

焦燥感

焦ることが嫌いだ。焦るくらいなら遅刻する。走りたくないし余裕を無くしたくない。

自分は焦っている。人生がすぐに終わりを迎えてしまう気がしてしまう。命尽きるその時に何も成し遂げられずに悔やむかもしれない、後悔だらけになるかもしれない、そう思うと今の生き方に疑問を抱いて、悩んで、焦ってしまう。

 

少し前、10代の頃はこの焦燥感から目を背ける手段がわからずに、真っ直ぐに焦っていた。周りの目とか気にせず、悩みをぶつけて、綺麗だと思えたものに感動して、どうにもならないことに悲しんでどん底まで落ちることができた。苦しいことも突き抜けていて、楽しいことも突き抜けていた。

今は変に大人になってしまった。雑多で無駄などうでも良いことで思考を満たせば目を背けられる、感情を動かされずに済むから、世界がモノクロに感じられるけれども、それでも平静を保てるのは楽だから。何かを好きになったり、自分の価値観を変えうる価値ある芸術に触れるのが怖い。感情が動くのは怖い。

 

酔っている時は感情の起伏が鈍る。だから音楽を聴いたり本を読んだり思考を巡らせたり、そういう活動ができる。最近は物思いに耽ることが減った。欲望とか希望を持つのは疲れる。抗うよりも諦める方が何倍も楽だから。けれど、つまらない。音楽を聴くことは楽しい。読書も楽しい。星を見たり風の匂いを感じたり、そういうことが楽しい。感情が動かなければ思ったことをそのまま文章にできる。

素直に楽しいと思えることが難しくなってしまった気がする。感情が動くのが怖くて、感動できない。年を重ねて思考が気づかないうちに複雑になってしまって動けなくなってしまった。多分ものすごく単純な因果関係で動けば良いはずなのに、それが出来なくなっていると思う。焦るなぁ。

ハイチャイナ

沢山の人と関わって、沢山の人に裏切られれば良い。まだ若いから人に期待してしまうのだろうけど、きっと他人に期待しなくて済むようになる。

最近行きつけの喫茶店のマスターに言われた言葉。最近のアドバイスの中で一番しっくり来た。まだ他人にも世界にも愚かな期待をしてしまうけれど、いつか他人にも自分にも無関心になれるように、少しだけ生きやすくなるように、息を吸えるようになりたい。

全てに嫌悪感を抱く瞬間があるけれど、誰よりも醜いのは紛れもなく自分だ。誰よりも憎らしく、誰よりも見捨てられない存在。死ぬのが怖くなければ、もう死んでいるのだろうか。きっと死んでいない。結局自分が可愛くて仕方がないのだから。醜い。醜い。醜い。

酔っぱらい

これほどにまでに全てを許すことができて、全てに「なんとかなるさ」の感情を持てる最高の時間があるだろうか。次に目覚めた時にまた絶望しているであろうことが口惜しくて仕方がない。酔っぱらってフワフワするのは癖になる。楽しくて仕方がない。

 

アルコールが口内を焼く。喉を燃やす。ぼんやりと自分を救う。きっと健康と引き換えに。悪くないよ。

痴れ言

無価値感が強い。インターネットのおかげで価値あるものが手軽に見られる時代に生きているからか、今の時代に生まれていなくても感じる性格だとは思うが、自己同一性を獲得することがほぼ不可能であるように思えて仕方がない。

 

この世の人間なんて一握りを除けば代替可能だ。自分が存在していなければいけない場面など皆無で、居なければ他の誰かが取って代わる。他者は自分と出会っていない人生を送るだけ。そういう意味では唯一性、絶対性に価値を見出すこと自体が誤りなのかもしれない。自分が自分であることの意義を自分以外の他者に求めることは出来ない。そもそも価値ある人間である必要性があるのかどうか。自分基準で自立して生きるならば価値など別に必要ないのだろうか。社会的存在である以上他人からの承認はどうしたって切り離せない指標であるが、他者と比較する物差しは大抵の場面で不幸しか運んでこない。

 

素晴らしい曲とか作品を作ったり、何かに取り組んだり、そんな"価値ある"同年代が数多くいることを知っている。或いは好奇心や熱意を持って趣味に没頭したり学問を行う友人も多くいる。自分には何も無い。今他者が自分にあると言う価値とかいうものは、若さとか"有望さ"とかそういうもので、近い将来にそれらは自分の元から消える。自ら獲得したものも取り組んでいるものも何もなくて、何事にも興味を持てない。結局何もせずに他人を羨むことしかしていない現状が情けない。空虚な愚者になるのが怖い。

 

他人を妬んだり羨んだり、他人と比べたり、そうして自分を他人基準で判断することに疲れた。自己否定にも自責にも飽きた。このまま消えてしまいたい衝動と、何も残せずに消えることへの拒絶で葛藤している。シドヴィシャスは21歳で伝説になった。そんな例外を思い浮かべて、自身の凡庸さを受け入れきれずにいる。主観である自分にとっては、自分とは紛れもなく特別な存在であるが、第三者から見れば自分は何者でもない、数多くののっぺらぼうな他人のうちの1人でしかない。理屈ではわかるのに、納得ができない。結局他人を介した自分を意識して虚勢を張っている。

 

理不尽を他人のせいにして今を変えようとしない愚かな自分に呆れて笑える。諦めたつもりになっている欲求がふとした拍子に蓋を開けて叫び出そうとしている。叶えられない望みなのだからさっさと息絶えてくれれば良いのに。満たされることのない欲求なら頼むから死んでくれ。随分とつまらない人間になった。こうはなりたく無いと思っていた大人に着々と近づいている。

依存

サブスクはあまり好きではない。自分の性格を考慮すると恐らく"インスタント音楽"になってしまう気がするから。それが嫌でCDで購入して、取り込んで、聴く、という手順を踏んでいるのだけれども、最近の自分の聴き方が大分流し聴き気味になっていて気に食わない。

高校生の頃は行動範囲も狭ければAmazonSpotifyのアカウントも持っていないし、何より自分でお金を稼いでいなかったから手元にある音楽は限られていた。お年玉とかお小遣いで貰うお金には手をつけられない性分で、毎月親から頂いていた確か5000円(高校生にしては高いかもしれないけれど)で友達と遊んだり欲しいものを買ったりしていた。だからこそ手元にあったり中古で買ったりしたCDをアルバム単位で何十周も聴き込んでいた。ヘビロテをしていると、流し聴きになるとき、歌詞に注目するとき、音に注目するとき、リズムに注目するとき、とか色々な聴き方をする。大学生になって自分のPCを所持してからは、タイピングの練習として歌詞を打ち込むなんてこともして、音で聴いていた歌詞と歌詞カードが違うことに感動することも沢山あった。曲に対する愛着も凄まじくなるし、この曲の次に何が来るとか、この数秒のフレーズが好きとか、そういうのめり込み方をする。縋りつけるものを追い求めていた思春期の自分にとって、音楽はある種の依存先だったし、自分の価値観だった。当時から周囲にも音楽好きはいたけれど、自分は特定のバンドいくつかしか聴かないので、音楽好きという扱いよりも、どちらかというと追っかけとかオタク?バンギャ?みたいなものに近かった。未知の素晴らしい音楽を知りたいというよりは、今気に入っている世界に閉じこもっていたい気持ちの方が強かったし、そもそも自分ではあまり買えずにせいぜい貸し借りが限界だったからそれに満足していた。

 

大学生になってからは幅広く音楽を聴くようになった。一番は自分で使えるお金を稼げるようになったことが大きくて、罪悪感を感じず、忖度もせずに自分の欲しいものを買えることが嬉しい。その頃から、バンギャのような感じではなく音楽趣味の人間寄りになっていったような気がする。アーティストとか音楽ジャンルとかに詳しくなったのは間違いない。自分がそれまで知らなかった良い曲を知ることは楽しくて仕方がないし、音楽に詳しい人が周囲にいたり、或いは自分と近いけれども範囲外だった音楽にのめり込んでいる人との情報交換で開拓が進んだりして充実感を得ていた。

ただ、最近情報過多というか、気になっていたり興味を持っているアーティストとか曲に対して自分の余裕、キャパが間に合っていないために、アルバムを聴き込むことをしなくなっている。かつてはどれだけ気に入らないアルバムでも、それしか手元にないから何度も何度も聴いて、段々癖になっていく、みたいな現象が結構あったのだけれど、最近はその割合が減ってしまった。中古CD屋がある場所へ出掛けるといつも立ち寄って何枚か買ってしまうので当たり前といえば当たり前なのだが、曲名を知らないとか展開を覚えていないとか、なんか音楽に対して物凄く失礼なことをしている気になる。もっと深く向き合う姿勢を持ちたい。

 

何かへののめり込みという点でいうと、高校と大学で自身の性格も大分変わった気がする。高校時代は良くも悪くも依存気質だったから、趣味とか努力とかには相性が良いものの人間関係には最悪な訳で。大学ではこれが逆になって趣味や勉強とかへの没頭具合は弱いけれど、他人に依存して破滅するような事態は激減して、一長一短。感情の起伏が穏やかになる分、自分の居場所が何処にもない虚しさを常に味わうトレードオフ。上手いことスイッチを切り替えられると良いのだけれど、難しい。

 

別に結論は特にないが総括するなら、沢山幅広く音楽を聴くのは最高だけれど、せめて曲と曲名とが一致するように心がける姿勢は持とうと思う、くらい。そういえば最近音楽好きで集まって音楽についてのみ語るような会ができていない。やりたいはやりたいけれど、ある程度嗜好が近くないとお互いに興味のない音楽を勧め合うことになるので面倒臭いし…とぼやいて多分まだ暫くはやらない。

PARADE II RESPECTIVE TARCKS OF BUCK-TICK 感想

BUCK-TICKメジャーデビュー25周年に発売されたトリビュートアルバムPARADE II RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICKの曲があまりにも良かったので感想を残しておこうと思います。音楽用語にも音作りにも全く詳しくないので表現したい語彙力が無いのはご勘弁…。

 

PARADE II−RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK

 


1. ROMANESQUE Acid Black Cherry

yasuさんの歌がとにかく上手いのと演奏技術が高い…。さすがABC。ROMANESQUE自体がHURRY UP MODEの中の曲のため、オリジナル音源の音と比べると圧倒的に綺麗なのと、ABCらしい重いサウンドと正確な演奏でした。音作りもそうですが、途中のギターソロが今井さんもヒデさんも絶対に弾かないであろうビジュアル系の感じ(うまく言葉にできない…)で曲を自分のものにしています。今のBUCK-TICKが演奏したらどうなるのか気になります。

2. JUST ONE MORE KISS BREAKERZ

先日hideさんのトリビュートアルバムでもEYES LOVE YOUをカバーしているのを聴いて、BREAKERZも癖なく自分の曲にする印象です。ライブの方のPARADEやら堂本兄弟での演奏を見たのですが、ものすごく安定してるバンドだな、と思ったのと、そういえばBREAKERZの曲って聴いたことが無いことに気が付きました。曲終わりでフェードアウトしていくところはオリジナルのJOMKへのリスペクトを感じました。

3. MISTY ZONE carli≠gari

桜井青さんがBUCK-TICKのファンということは有名なので選曲がMISTY ZONEなことには納得でした。イントロもこの当時のBUCK-TICK特有の全体的に軽いサウンドもノイジーな感じも全てからリスペクトがものすごく伝わってきて、ファンなんだろうなぁという親近感のような喜びを感じます。最近になってようやく音作りに注目して曲を聴く聴き方ができるようになったからこそ、今まで以上に曲を楽しむことができるようになって、リスペクトに気付けるのが嬉しい…。

4. Sid Vicious ON THE BEACH POLYSICS

この曲を選ぶ時点でもう面白いです。エレクトロ?テクノ?EDM?いまいちジャンルがわかっていないのですが、オリジナルもシンセサイザーやエフェクトが多用された曲なのでPOLYSICSとの相性は抜群でした。原曲はサーフサウンドで今井ワールド全開の全てを馬鹿にして皮肉に満ちた世界観ですが、こちらはビーチクラブで踊り狂っている若者のイメージです。途中の階段を転げ落ちるようなギターが好きです。

5. MACHINE 氣志團

元々youtubeに(違法転載で)上がっていたライブバージョンでのMACHINEを聴いていたのですが、ライブでもオク下で冒頭を歌い上げる音域の広さに驚愕していました。翔さんもBUCK-TICKファンだったはずで、音作りもアレンジも原曲に忠実なカバーでリスペクトを表しているように感じました。ラストのギターのアレンジもBUCK-TICKらしくて格好良い。

6. 悪の華 MERRY

悪の華自体がロックで格好良い曲なのにMERRYがカバーしたら格好良さが突き抜けるのは火を見るよりも明らかで…。アニイのドラムの音は響きに広がりがあって、パワフルというよりは技巧的で、対照的にMERRYのカバーではドラムがとにかくパワフルなので激しさが際立っていてオリジナルよりも尖った印象を受けました。ギターはキレキレでサウンドは重くて最高です。以前ライブも観たのですが、この頃のバンドあるあるなのか音源よりもライブの方が完成度が高い現象が起きていて…。ライブDVD買う方に気持ちが傾いています。

7. JUPITER MUCC

このトリビュートアルバム自体MUCCカバーのJUPITER目当てで買ったようなもので、もう最高でした。まず間奏のギターソロでスピードのイントロはもう感情の昂りが限界でした。JUPITERもスピードも狂った太陽ひいてはBUCK-TICKの代表曲でファンには堪らない…。アウトロも(多分)スピードのフレーズで終わりまで素晴らしい。逹瑯さんの感情を込めた歌い方が染みるし、ピアノやコーラスなど原曲に忠実な面もありながら間奏後の盛り上がりの激しさはMUCCらしさが出ていて二度美味しいです。ライブでのビジュアルも良かった記憶があるのでもうDVD買うしかない…。しばらくはこのJUPITERをひたすら聴き続けることになりそうです。何回リピートしても飽きない。

8. love letter Pay money To my Pain

初めて知ったバンドだったのですが、全員日本人なんですね。海外の方かと思った。原曲とはだいぶ異なり、この曲がここまで洋楽チックなラウドロックというかメタルサウンドにアレンジされていて驚きました。激しい曲を聴きたいときに丁度良さそうでハマれそうなバンドだったのに、残念ながらボーカルの方はもう亡くなっているみたいで活動も終了していました、悲しい…。このトリビュートアルバムの中で2番目に好きかもしれないです。

9. ICONOCLASM D'ERLANGER

D'ERLANGERそういえばla vie en roseくらいしか知らないな…。ボーカルの声が色っぽさとシャウトのキレのギャップが格好良いです。ドラムがちょっと主張強めなのはBUCK-TICKにはないので新鮮です。間奏とラストでkiss me goodbyeのフレーズを入れていて組み合わせが意外というか何故?って思いましたが結構合っているかもしれない。ピアノの音が後半で入ってくることで妖しさが生まれています。

10. EMPTY GIRL N'夙川BOYS

N'夙川BOYSは名前しか知らなかったので、男性ボーカルから始まって普通に聴いていたら最初の"EMPTY GIRL"のところで女性ボーカルに変わって流し聴きしていた意識が一気に曲に引き戻されました。空っぽな頭の女の子が主人公の曲で、言い方は悪いですがボーカルのお二人のちょっと頭が悪そうな歌い方が最高にマッチしています。特にリンダdadaさんの歌い方も声も好みなので気になって調べたのですが、こちらも活動休止していました…。

11. エリーゼのために (THE LOWBROWS REMIX) THE LOWBROWS

オリジナルのエリーゼのためにのリミックスでエレクトロアレンジでした。曲にはあまり関係ないけれど、ここであっちゃんの声になったので戻ってきた安心感がありました。テクノとかエレクトロを今まであまり聴いてこなかったし、アレンジのどこに注意して聴けば良いのかがまだわかっていないのですが、ノリノリになれるのはわかる気がします。どう聴いたら良いのか誰かレクチャーしてください…。

12. SEXUALxxxxx! acid android

この曲をここまで壮大な美しいアレンジをしているのが意味が分からなくて最初の方は疑問符が頭から離れませんでした。結構偏見ですがジブリっぽい気がします。清廉潔白なピアノの演奏で"SEXUAL INTERCOURSE!"という歌詞を歌われてもどういう気持ちになれば良いのかわからないです。この違和感がこの界隈らしさを象徴していて良いなぁと思い調べてみたら、どうやらL'Arc-en-Cielのyukihiroさんのソロプロジェクトだったようです。通りで一筋縄ではない訳だ。

13. M・A・D AA=

初聴きではどの曲か分からず、メロディのところでようやくわかりました。これもテクノとかデジタルロックにあたるアレンジだと思うのですが、緩急があったり最後に急に曲が終わったりして、聴く側への違和感の残し方が結構癖になりそうです。

 

 

ずっとMUCCのカバーを聴きたくて探していたので、DISK UNIONで見つけられて本当に良かったです。やっぱり今回はMUCCが最高ですが、Pay money To my Pain, MERRY, cali≠gari, POLYSICS, N'夙川BOYSあたりもハマりそうです。Parade無印の方には清春さん, Jさん, 土屋さん, 遠藤ミチロウさん, absのカバーもあるみたいなのでそっちも欲しい…。あとDVDも…。